遺留分とは?

遺留分とは、相続人に最低限保障された相続財産です。

配偶者や子、直系尊属(父母または代襲する祖父母)に下表の遺留分率が認められていますが、兄弟姉妹には権利はありません

                  

相続人全体の遺留分の合計
相続人が直系尊属のみ 相続財産の1/3
相続人が配偶者・子 相続財産の1/2

  

各相続人の遺留分率は、上記の遺留分財産を法定相続の割合で分配して算出します。

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各相続人の遺留分率の例-1

直系尊属

(父母)のみ

父 遺留分1/3×法定相続(直尊2人)1/2=1/6

母 遺留分1/3×法定相続(直尊2人)1/2=1/6

 

 

 

 

 

 

 

各相続人の遺留分率の例-2

配偶者・子

(嫡出子)

配偶者 遺留分1/2×法定相続1/2=1/4

子1 遺留分1/2×法定相続1/2×(子2人)1/2=1/8
子2 遺留分1/2×法定相続1/2×(子2人)1/2=1/8

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各相続人の遺留分率の例-3

配偶者・兄弟

配偶者 遺留分1/2

兄弟   遺留分請求権利なし

 

          

遺留分の減殺請求

illust2771_thumb.gif遺言によって遺留分を侵害され、その内容に不服がある相続人は、

遺留分を侵害している相手方に直接不足分を請求します。

これを遺留分減殺請求といいます。

特に裁判所を通して請求する必要はありません。

相手方との話し合いがまとまればそれで終わります。

しかし、遺産分割にはトラブルが少なくありません。

また、遺留分減殺請求には時効がありますので、

後々のトラブル回避のため、

通常は証拠の残る配達証明つきの内容証明郵便で請求を行います。

 

<遺留分減殺請求の時効>

・相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内で消滅

・遺留分が侵害されていることを知らなかった場合でも、相続開始から10年経過で消滅

 

なお、減殺請求できる対象財産には順位(まず始めに遺贈、次に贈与)があります。

haiguusyairyubun_3.gifまた、減殺請求できるのは上記で述べた割合に相当する財産ですが

減殺請求をしない相続人がいる場合でも、

他の相続人の請求する割合は増えません。

(上記の遺留分率の例-2で、母が減殺請求をしない場合でも、子の減殺請求できる割合はそれぞれ1/8)

 

遺留分を無視した遺言書は有効?

『財産の全部を内縁の妻に遺したいが、

遺留分を考えると、この遺言は無効になるのか?』

そう勘違いされる方がいらっしゃいますが、

遺言自体は有効です

遺留分は法定相続人に渡すことが義務付けられている財産ではありません

遺留分は法定相続人が受け取る権利がある財産で、

その財産を請求するかしないかは法定相続人の判断です。

遺留分を考える。対策は?

遺言書で財産配分を考えるときに

各相続人に遺留分相当の財産を分けなければならないというわけではありません。

先に述べましたとおり、遺留分を請求するかしないかは各相続人の判断です。

請求されるかされないかは、相続人の心情や経済的状況によりますから、

事前に下記の事柄も考えておくと良いでしょう。 

 

 

遺留分を考慮した財産配分も一度考えてみる 

  

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当然ですが、少しも配慮してもらえなかった相続人は、

心情的にいいものではなく、トラブルの火種になりかねません。

何か残せるものはないか、今一度考えてみてください。

 

ご自身の気持ちなどを遺言書に記載して、相続人の心情を害さないよう気をつける 

それでも『どうしても他の相続人や縁故の方・団体に財産を分けたい』という場合、

遺言書の最後に、『付言』として遺言内容についての経緯などを、

相続人の心情を害さないよう書いておくことをお勧めします。

付言に法的拘束力はないので、

相続人の遺留分がなくなるわけではありませんが、

遺言として残された被相続人の気持ちは、心情面で効果があることが多いです。

恨み・辛みをならべあげるのは、逆効果。

できれば避けたほうが良いでしょう。 

付言の例@

次女●●には、これまで大学院の進学や海外留学費用で金1,200万円を負担してきました。私は、どの子供も同様大切に思っておりますから、長女○○にも同様の扱いをしたく、このような遺言内容にしました。姉妹の紛争を望んでの遺言ではありません。あなた達は唯一無二の血の通った姉妹ですから、どうかこの先も仲良くいることを願います。

 

付言の例A

今回次男●●に財産を譲ることにしたのは、けして長男○○を疎外したい、ということではありません。長男○○は、大学卒業後立派に自立していて一流企業に勤め、私としても誇らしい限りです。次男●●は先行き見えない家業をこれまで支えてきてくれましたが、やはり商売の先行きは良くないでしょう。この先二人とも不自由することなく暮らしてもらえることが、私の唯一の願いですから、このような遺言内容にいたしました。どうか、私の考えを理解して今後争うことなく互いに支え合ってください。

 ※上記は記載例ですので、状況に応じた付言をお考えください。

  

事前(生存中)に自ら遺留分放棄について相続人と話し合う

遺留分は相続開始前(生存中)の場合、相続人(財産を受け取る人)が家庭裁判所に許可を得ることで放棄できます。

※相続開始後は家庭裁判所の許可を得ずとも放棄ができます。

被相続人による手続きではありません

相続人に遺留分の放棄をしてもらうためには存命中に相続人と話し合い、

相続人に手続きをしてもらうことが必要になります。

財産配分を決めるにあたっての経緯などを被相続人自らillust651_thumb.gifが直接話すことによって

相続人の理解が得られますし、

遺留分の放棄をしてもらうことで、相続開始後の心配もなくなります。

既に相続人と関係が悪化している場合には難しい手段ですが、

事業承継などを考えている場合には効果的です。

<ご参考>遺留分放棄の家庭裁判所の許可

家庭裁判所では、

・被相続人の強要でなく、自らの意思で遺留分の放棄をするのか

・放棄の理由には合理性・必要性があるか

・(放棄をするにあたって)代償措置がとられているのか

等を確認して許可を出していますが、おおかた(9割方)が許可を得ているようです。

 

遺言書は必要です

遺留分の放棄と相続放棄は違います。20100410&20100411152[1].jpg

遺留分の放棄の許可を得たとしても、

相続開始後の相続人の地位がなくなったわけではありません。

遺言書がない場合、遺留分放棄をした相続人も法定相続分相当の財産を主張できます。

安心して遺言書を残し忘れた、ということのないようにしてください。

 

※相続放棄は相続開始後にできる行為で、生存中の相続放棄はできません。

 

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